三井記念美術館|”円山応挙 革新者から巨匠へ”を鑑賞した感想

eye catch円山応挙ー三池記念美術館レビュー art情報
art情報
スポンサーリンク

NHK放送「歴史探偵 天才絵師 若冲と応挙」に刺激を受ける

数年前から浮世絵美術の世界にハマりました。初めは、展示会に足を向け好みの作品を見つけて楽しんでいるだけでしたが、浮世絵の歴史とその時代背景について調べ考えをまとめるうちに、浮世絵美術のルーツや現代美術への影響にも疑問が広がりました。そうして”浮世絵”に強い興味を持ち調べたところ、現代の漫画やイラストを含む出版物への流れを見つけることが出来たのですが、それだけでは日本の現代の美術につながる糸がとても細いと感じていました。

🔻当ブログの”浮世絵”関連の記事

浮世絵
浮世絵にまつわる出来事、浮世絵の歴史、展示などについてご紹介します。
Nobu

そんな折江戸時代の画家にスポットを当てた番組ということで「歴史探偵 天才絵師 若冲と応挙」(NHK放送)を企画担当のNobuに勧められました。今まで日本の”江戸時代の画家”を意識したことがなかったので、興味深い番組を見た後、東京での「若冲や応挙」展示会開催を心待ちにしていました。(その時点では京都で展覧会を実施していました。)

🔻美術館ナビ「歴史探偵 天才絵師 若冲と応挙」

「歴史探偵 天才絵師 若冲と応挙」7月23日放送 合作屏風に注目!2人の天才絵師誕生の秘密に迫る
番組名:歴史探偵 天才絵師 若冲と応挙 放送時間:NHK総合 7月23日(水) 午後10:00 ~ 午後10:45 (再放送)NHK総合 7月29日(火) 午後11:50 ~ 午前0:35 番組ホームページ 江戸で「歌麿

円山応挙(まるやま おうきょ)
江戸時代中期に活躍した画家で、写生を重視した独自の画風で知られる「円山派」の祖です。西洋画の陰影法や西洋から伝わった眼鏡絵技法、東洋画の伝統を融合させ、現実的な描写と、写実的ながらも表現力豊かな独自の絵画を確立しました。
主な特徴
写生を重視した画風: 写実的に対象を描くことを重視し、肉眼で見たものの姿を精密に描写しました。
西洋画の技法を取り入れる: 当時珍しかった西洋の陰影法などを取り入れ、絵に立体感を与えました。
東洋画の伝統との融合: 従来の東洋画の装飾的な様式も取り入れ、西洋的なリアリティと東洋的な美意識を融合させた画境を切り開きました。
革新的な画題: 幽霊図や虎図など、従来の画題に新たなアプローチを加え、多くの人々を魅了しました。
円山派の形成
多くの弟子を集め、円山派という一大画派を形成しました。 円山派の伝統は明治時代まで受け継がれ、近代日本画の基礎となりました。(AI調べ)

伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)
江戸時代中期の日本画家です。彼は「奇想の画家」とも呼ばれ、鶏などの鳥や花、動植物を細密かつ独創的に描いた作品で知られています。
主な特徴
京都の青物問屋の長男として生まれ、裕福な環境で育ちました。40歳で家督を弟に譲り、隠居して絵画に専念しました。画風は超絶技巧による写実的な描写と、鮮やかな色使いが特徴です。鶏を数十羽飼育するなど、徹底的に動植物を写生しました。代表作に《動植綵絵》や《鳥獣花木図屏風》があります。
評価の変遷
生前は円山応挙と並ぶほど人気のある画家でした。明治時代以降は忘れられていましたが、第二次世界大戦後、海外のコレクターの存在や、美術史家による再評価をきっかけに人気が再燃しました。現在では、平成以降に人気が爆発し、日本美術ブームを牽引する存在となっています。(AI調べ)

三井記念美術館|「開館20周年特別展 円山応挙―革新者から巨匠へ」(2025.9/26~11/24)鑑賞

TV放映から約2ヶ月後、三井記念美術館で円山応挙展が始まり早速足を運びました。果たして、この展示会は前述したワタシの疑問「やまと絵」から「浮世絵」への繋がり」を補足してくれる内容となっていて展示会場をドキドキと心躍らせながら見て回りました。

🔻美術館ナビ|「開館20周年特別展 円山応挙―革新者から巨匠へ」

【プレビュー】「円山応挙―革新者から巨匠へ」三井記念美術館で9月26日から 新発見の応挙・若冲合作屏風が東京で初公開
三井記念美術館(東京都中央区)で「開館20周年特別展 円山応挙―革新者から巨匠へ」が9月26日から開催されます。 近年、同時代を生きた伊藤若冲、曽我蕭白ら“奇想の画家”たちの人気に押され気味の円山応挙。しかしじつは、応挙


JR新日本橋駅から三井記念美術館への散歩道

実は三井記念美術館への最寄駅は地下鉄三越前駅です。少し離れた新日本橋駅から向かったのは、街歩きが好きなためです。とはいえそれほど離れている訳ではなくサクサク歩けば10分くらいで着いてしまうので、あちらこちらと👀よそ見しながら向かいました。
さて、記事のためGoogleMapで位置確認をすると、この周辺の通り名称は、素敵名称揃い踏みと気が付きました。”旧日光街道”、”江戸桜通り”、”日銀通り”、少し離れたところでは”時の鐘通り”や”えびす通り”など、「ここは東京の中心地です」と主張しているようです。

三井記念美術館に到着

駅から向かう”三井記念美術館”の周辺には”コレド室町”など三井関連の商業施設などが立ち並んでいます。「三井家はきっと過去から、この辺りの大地主であったろう」と想像しながら美術館へ入ります。壁には展示会用のポスターが貼ってありますが殆どが三井家ゆかりか所蔵品の展示のようです。

🔻三井記念美術館HP

三井記念美術館<日本橋> ―伝統美の世界へ―
東京・日本橋にある美術館。国宝6点、重要文化財75点を含む、日本・東洋の美術工芸品約4,000点、切手類約13万点を所蔵。

円山応挙展について

円山応挙は、従来より江戸時代を代表する画家として、確固たる地位を占めて高く評価されてきました。しかし近年、伊藤若冲をはじめとする「奇想の画家」たちの評価が高まるにつれて、いくぶんその注目度が低くなっていることは否めません。

しかし、応挙こそが、18世紀京都画壇の革新者でした。写生に基づく応挙の絵は、当時の鑑賞者にとって、それまで見たこともないヴァーチャル・リアリティーのように、眼前に迫ってきたのです。そして、そんな応挙の画風は瞬く間に京都画壇を席巻し、当代随一の人気画家となりました。そして、多くの弟子たちが応挙を慕い、巨匠として円山四条派を形成することとなりました。

応挙の絵は、21世紀の私たちから見れば、「ふつうの絵」のように見えるかもしれません。しかし、18世紀の人たちにとっては、それまで見たこともない「視覚を再現してくれる絵」として受けとめられたのです。この展覧会では、そんな応挙が「革新者」から「巨匠」になっていくことを、重要な作品を提示しながらみなさんに見ていただきたいと思います。        図録:監修者からのメッセージ

🔻展示会パンフレット

パンフレット表面(虎の絵)には”三井家が援助した金比羅さんの襖絵”とあるし、所蔵品の様子から江戸の頃、京都にあったお家かと思ったのですが、ググったところ三井家発祥の地は松坂と分かりました。

円山応挙 作品ギャラリー|図録より

展示会場はほとんどが撮影禁止でした。ですが、円山応挙の没後200年以上経過しているので図録などからブログに使用するのは可能とAI調べで分かりました。下に貼り付けた作品たちはそんな図録からワタシがとても惹かれた作品を選んだものです。
”写生図”:所謂習作ですが正確で美しく可愛い。
”行水美人図”:最低限の着彩ですが髪の黒さが艶かしく、空間の表現が素晴らしい。
”龍門図”:魚の繊細な描写、水のデザイン性、何より上からの描写がほぼ線表現であることに息を飲む。
”幽霊図”(右の作品以外は他の画家の作品):「足のない幽霊」を初めて描いた作品であり悲しくも美しい。
”富士山”:実物を見ると驚くほど着彩していない。印刷物で見ると脳にフィルターがかかるのか景色がより印象的に感じる。
”破墨散水図”:省略してもなお足りないものはないと感じさててくれる遠近感のある描写に捕まれる。
”驟雨江村図”:作品の近くに行くと立体的な嵐の空気を感じた。

”円山応挙 革新者から巨匠へ”を鑑賞した感想

さて今回この展示会に出向いた理由は、ワタシが持つ疑問「”やまと絵”から”浮世絵”の繋がり」のヒントが見つかりそうな気がしたからです。
”円山応挙 革新者から巨匠へ”を鑑賞した感想は、今まで見えていなかった事柄に気がついて、ガツンと揺さぶられ目を覚まさせられたように感じました。

冒頭で記述したように、浮世絵美術に興味を持ち調べる中で、ルーツや現代の漫画やイラストを含む出版物への流れを見つけることは出来ましたが「現代の絵画美術につながる糸がとても細い、何なら見つからない」と感じていました。
”浮世絵”は海外でも素晴らしい芸術と称賛してくれているし、巨匠たちの作品は実際観るほどに素晴らしいものですが、”浮世絵”のオリジナル原画を作り職人が量販するスタイルは現代の漫画界と通じています。
浮世絵時代は全てを手作業で行なっていたため現代の漫画を同じ土俵で語ることは無理がありますが、両方とも娯楽だったいう点において「伝統と品格」が重要である芸術作品とはズレが大きいと気が付きました。

「伝統と品格」を備えた作品が”芸術作品”であるなら、江戸時代の頃、(意図したかどうか不明ですが)京都美術界は「芸術」の役割を担っていたと思うのです。その京都美術界のど真ん中で、円山応挙は”西洋画”、”やまと絵”を融合させ、現実的な描写と、写実的絵画を確立したのです。
私は円山応挙という日本の押しも押されぬ芸術家作品に出会ったことで、それまで見落としていた京都美術が果たした日本美術への役割に気がつくことができました。
それは「”やまと絵”から”浮世絵”の繋がり」へと一足に飛ぶものではなく「”やまと絵”から”京都美術”+”浮世絵”の繋がりそして現代美術へ」と繋がるのだろうと思いました。

ランチについて-おまけ

この日はコレド室町2で美味しいビールと共にランチを楽しみました。時はメジャーリーグのリーグ決勝戦の終盤、ドジャース対ブルージェイズの最終戦の真っ最中です。試合はドキドキ、ワタシは先ほど見てきた円山応挙展で受けた衝撃で興奮状態🔥美味しくビールのお代わりを楽しんだのでした。

三井記念美術館|”円山応挙 革新者から巨匠へ”を鑑賞した感想は以上です。

\ご訪問ありがとうございます/

コメント